2011年9月28日水曜日

「将来の子どもたちのためにも、被爆国である日本の大人たちが、原発がない方向に持って行かなきゃ。」(松谷みよ子)

「朝日新聞」夕刊に「人生の贈りもの」という連載ものがあります。
インタビュー形式の回想記のようなものです。

9月26日は、作家松谷みよ子さん(85歳)の第一回目。
見出しは、「子どもたちのため 原発ない日本に」

一部を下記にご紹介。

******************段落を施します
(略)

---「ふたりのイーダ」や「ミサコの被爆ピアノ」など、原爆や平和がテーマの作品も多く書かれています。今回の福島原発の事故にも心を痛めていらっしゃる。

原発ができ始めたころから、私は怖い怖いと言い続けてきたんですよ。何がどうなるからというんじゃなくて、原発の存在自体が怖いと。
今回のように、一度何かあったら何十年も取り返しのつかないことになるわけでしょ。
特に日本は小さいですからね。
海に流れればどんどん広がっていくし。

いますぐ目の前で子どもたちが倒れるわけじゃないところが怖いのよ。
「大丈夫」「いや大丈夫じゃない」なんて言ってるうちに時間がたって汚染されちゃう。

---実際に、チェルノブイリに行き、被曝した子どもたちも訪ねられたそうですね。

病院にも行きましたし、壊れたような家に住んでいる人たちにもお会いしてきました。
そこに住めない状況でも逃げるわけにいかない人がたくさんいたんです。
どこからも「いらっしゃい」と言ってくれるわけじゃないでしょ。
何年たっても行き場がない。
入院している子どもたちの悲しい目や病室の風景がいまも浮かんできます。
本当につらかった。

---原発はない方がいいと

「原発反対」「原発反対」と言っても、「いまの日本の状況で原発がなかったらどうするんだよ」といわれてここまで来たんですよね。
それで事故が起きて、住めない地域が出て、それでもこのままでいいんでしょうか

昔、原発がなかったからといって暮らせなかったわけじゃないでしょ。
自然エネルギーへの転換も、もっと本気で考えたらいいと思うんですよ。

経済が悪くなるなんてこととは違う意味で、日本の子どもたちが苦しむ日が来るかもしれない。
将来の子どもたちのためにも、被爆国である日本の大人たちが、原発がない方向に持って行かなきゃ。

(略)
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