2012年3月18日日曜日

原発事故から1年、 拡散した「無主物」(放射能)は浸透、蓄積、沈殿している。 山形の野ウサギから基準超セシウム 融雪剤からセシウム


原発事故から1年、
拡散した「無主物」(放射能)は浸透、蓄積、沈殿していってるようだ。

1.「毎日JP」の記事
「放射性物質:ダム底の泥に 雨で川へ流れ濃縮か 福島
によると・・・

「阿武隈川中流域にある発電用の「蓬萊(ほうらい)ダム」(福島県二本松市、福島市、貯水量約380万立方メートル)の底の泥に大量の放射性セシウムが蓄積していることが13日、文部科学省の調査で判明した。
付近の貯水池と比べ10倍の濃度だった。
東京電力福島第1原発事故で土壌に蓄積したセシウムが、雨で土と一緒に川へ流れ込み、ダムでせき止められて濃縮したとみられる。

同省の委託で調査した恩田裕一筑波大教授(水文学)が同日のシンポジウムで報告した。
(略)

蓬萊ダムの泥は1平方メートル当たり約3,000キロベクレルで、原発から半径20キロ圏内の警戒区域内の土壌汚染濃度に相当した。
他の貯水池の同200~400キロベクレルに比べ約10倍あった。

恩田教授によると、蓄積した土壌に含まれるセシウムは再び水に溶け出しにくく、下流の水を飲用などに使うのには問題ないという。
ただし、「ダム湖の魚などに影響する恐れがある」として、調査を続ける。

(略)【野田武】」

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2.また、同じ「毎日JP」の記事
放射性物質:地中30センチにまで浸透か
によれば、・・・

「東京電力福島第1原発事故で放出され地面に降り積もった放射性物質について、事故から3カ月後の昨年6月にはほとんどが地表から5センチまでの浅い場所にとどまっていたが、1年後の現在では10~30センチの深さまで浸透している可能性があるとの推定を、日本原子力研究開発機構のチームが14日までにまとめた。

雨水がしみ込む際に一緒に運ばれるとみられる。
同機構幌延深地層研究ユニット(北海道幌延町)の佐藤治夫研究員は
除染活動が遅れるほど放射性物質は深く移動し、除染で取り除く土壌が増えたり、井戸や河川に流れ込んだりする危険性がある
と警告している。(共同)」

通常の土壌で10~30cmだとすれば、野ざらしの「震災ガレキ」だったら1m以上にも浸透しているんだろう。
ニュースで見る限り、そんなに深くまで放射能測定しているようには見えないが・・・。

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また、事故後一年の今週は、
新たなアイテムへの汚染も報道されるようになった。

3.「読売オンライン」の記事
野ウサギ 規制超すセシウム 野生動物からは(山形)県内初
によると・・・、

「県は14日、米沢市で捕獲された野ウサギから、国の暫定規制値(1キロ・グラム当たり500ベクレル)を超える1キロ・グラム当たり560ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。
県内の野性動物から基準を超える放射性物質が検出されたのは初めて。
県は、県内各地の猟友会などに対し、当分の間、野ウサギを食べることを自粛するよう通知した。

(略)」

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4.「東奥日報」の記事
「青森農協購入の融雪剤にセシウム
によると・・・

「青森農協が全農県本部を通じて購入し、生産者に販売した融雪剤から放射性セシウムが検出されたことが13日、関係者への取材で分かった。
検出値は、堆肥や土壌改良材に対する国の暫定基準値(1キログラム当たり400ベクレル)の半分以下。
流通・使用に問題はないが、同農協や同本部は購入者からの返品に応じるとしている。

同日の青森市議会予算特別委員会で、山脇智議員(共産)が取り上げ、市側が答えた。

市や同本部などによると、融雪剤は宮城県内の工場で、樹木の皮で作ったバーク堆肥を主原料に製造された。
市内の農家が今月上旬、この融雪剤の放射性物質検査を独自に行ったところ、1キログラム当たり153ベクレルの放射性セシウムが検出された。
農家から連絡を受けた同本部が在庫品を調べると、同様の数値が検出されたという。

(略)

国によると、福島第1原発事故前の全国の農地土壌の放射性セシウム濃度は平均で1キログラム当たり約20ベクレル。」

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土壌に降った放射能の濃縮化の一方で、海中の放射能の希釈化は進んでいるようだ。
(どちらも放射能の総量は半減期が来るまでは変らないが、付着する相手が土壌か海水かで濃度は大きく変ってくる。海は広い、ということだ。)

5.「朝日デジタル」の記事
海藻セシウム、数カ月で激減 福島第一から50キロ地点
によると・・・

「東京電力福島第一原発から約50キロの福島県いわき市の海岸で採れた海藻中の放射性セシウムが、数カ月の間に20分の1~70分の1へと急速に減っていることが、神戸大などの調査でわかった。
海水中の濃度が落ちたためとみられる
16日から京都市で開かれる日本植物生理学会で発表する。

(略)

乾かしたワカメ1キロあたりのセシウムは、昨年5月は約9,500ベクレルあった。
それが7月には666ベクレル、9月には479ベクレルと約20分の1まで減った。

同様にアナアオサでは5月の約5,900ベクレルから10月の80ベクレルまで約74分の1に、
アラメでは5月の約1万1千ベクレルから10月の222ベクレルまで約50分の1に下がった。」

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