2012年5月13日日曜日

放射能汚染 阿武隈川のフナ・コイ 那須塩原などのサンショウ 岩手県の山菜

食品の放射能汚染(基準値超過)が相次いでいる。

福島民報
コイなど魚介類38点基準値超え 放射性物質検査
2012年5月10日  
県は9日、魚介類141点の放射性物質の検査結果を【表】の通り発表した。伊達市の阿武隈川のギンブナとコイなど計38点から食品衛生法の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された。
 県は同日、信夫ダムを除く阿武隈川のフナとコイの採捕自粛を関係団体に要請した。
 本県沖では魚類31点から基準値を超える放射性セシウムが検出されたが、現在は出漁自粛のため、市場には出回っていない。


下野新聞
那須塩原のサンショウ基準値超 県、出荷自粛要請
(5月11日 17:49)
県環境森林部は11日、那須塩原市で採取した山菜のサンショウ(野生)から国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を上回る300ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。出荷前の検査で判明し、流通はしていない。県は同市に対し出荷自粛を要請するとともに、採取しないよう住民への注意喚起を求めた。検体採取日は10日。
 県内では宇都宮、日光市で採取したサンショウ(野生)から国の基準値を上回る放射性セシウムが検出され、1日付で出荷停止となっている。


MSN産経ニュース
天然ナマズから基準値超える放射性物質検出 県「流通しないので安心して」
2012.5.11 20:09
埼玉県は11日、吉川市で獲れた天然ナマズから基準値を超える放射性物質が検出されたと発表した。県内の農産物で基準値を超えたのは、茶に次いで2例目。
 県は吉川市内を流れる中川の新川橋下流で獲れた天然ナマズ1検体と、吉川、幸手、春日部の3市産の養殖ナマズ3検体を検査。このうち、天然ナマズから基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える放射性セシウム130ベクレルを検出。養殖ナマズは基準値以下だった。
 県は吉川、越谷、松伏の2市1町を流れる中川などで天然ナマズの捕獲を自粛するよう要請。今後、他の淡水魚も重点的に調べる。担当者は「通常は天然ナマズは流通しないので安心してほしい」と話した。


読売新聞(岩手)
出荷自粛の要請相次ぐ  旬の山菜ピンチ
山菜シーズンが到来したが、県内各地の山菜から規制値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出され、県が自治体に出荷と採取の自粛を要請するケースが相次いでいる。県は11日にも、盛岡市のコシアブラと一関市のゼンマイ、タラの芽の出荷と採取の自粛を両市に要請。旬の山菜がピンチを迎えている。
 11日、盛岡市内の直売所。「放射能検査を随時実施している」の貼り紙がされる中、タラの芽などの新鮮な山菜が並び、市民が買い求める。しかし、コシアブラはなかった。店員によると、組合員が出荷を見合わせているためだという。近くの主婦(78)は「山菜は短い期間しか食べないから、他の食品と一律に定められている規制値に神経質にならなくてもいいのでは」と冷静に受け止めている。
 花巻市東和町安俵の産直「あおぞら」には例年、周辺の山で採れた多彩な山菜が棚に山積みされている。しかし今春は、棚はがら空き。9日は、「放射性セシウム測定済」のシールが貼られた栽培物の行者ニンニクだけだった。
 東和産直友の会の菅野勝敏組合長は「県の通達で、検査しなければ販売できないが、検査には時間がかかるし、結果が出るまで待っていたら、山菜がしなびて売れなくなる」と嘆く。
 市民が持ち込む食品の放射性物質の簡易検査を行う花巻市には大型連休明けから、山菜を持ち込む人が急増し、1週間待ちの状況だ。「自分で採った山菜を食べても大丈夫か」という問い合わせの電話も多い。
 県が8日、同市産のコゴミとコシアブラから規制値を超す放射性セシウムを検出したと発表後、市防災危機管理課はホームページなどで、「野生の山菜の取り扱いを注意して」と呼びかけている。
 山菜の宝庫・西和賀町でワラビの収穫体験ができる「つきざわワラビ園」は、「『セシウムは大丈夫か』という問い合わせが多く、ワラビの芽が出たら、すぐに放射性物質の検査をし、開園はそれから」としている。
 複数の山菜を検査し、このうち一つでも規制値を超えると、自治体全体を自粛対象とすることに、「広範囲すぎる」と批判の声も上がる。しかし、県林業振興課は「野生の山菜の場合、どこで採ったのかを確実に把握できず、安全のために広く網をかけるしかない」と説明している。
(2012年5月12日  読売新聞)


以下のサイトでは検査の値を公表している。
生活クラブ生協
株式会社いちい


先にクマ肉の汚染が検出され、食用自粛が要請されているが、これに関連して地元の猟友会で問題が・・・。

読売新聞(山形)
クマ肉から新規制値超すセシウム、猟友会が困惑
ほぼ自己負担 「猟にメリットない」
 県内で捕獲されたツキノワグマ2頭の肉から食品の新規制値(1キロ・グラムあたり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたことを受けて、県が出したクマ肉の食用自粛などを求める通知が、「コストをかけて猟をしてもメリットがない」と、猟友会に波紋を広げている。本格的なクマの出没期を控え、有害鳥獣捕獲が進まない恐れがあることから、県はクマの買い取りなどを検討している。
 県みどり自然課によると、4月18、21日に宮城、福島県境付近の上山市と米沢市で捕獲されたツキノワグマ2頭から規制値を超える放射性セシウムを検出。県は同24日付で県猟友会に対し、問題のクマが捕獲された上山市や米沢市などの県境付近の奥羽山脈の野生動物については、肉を食べることを自粛し、処分するよう通知した。同課は「万が一の健康被害を避けるために行った」としている。
 しかし、この通知に対する猟友会の受け止めは複雑だ。県に依頼される有害鳥獣捕獲も含めて、ほぼ自己負担で行っているクマの猟は、自家消費を目的としてきたためだ。
 県内18支部で構成される県猟友会の川越正副会長(72)によると、通知の後、上山市や米沢市など県南部の会員を中心に、「セシウムが検出されたクマはともかく、そのほかも自粛対象となり、処分まで求められるなら、猟を行う意味がない」などの声が上がっているという。
 クマの捕獲に使用する銃弾は1発300円~500円で、1匹仕留めるために、多いときには10発程度使う。日常的な銃の手入れにも費用がかかるうえ、兼業している猟師は急な捕獲依頼があった時に仕事を休んで対応している。
 野生動物の放射性物質検査のための捕獲については、1頭あたり1万円ほどの協力金が支払われるものの、複数人で猟を行うために個々人の取り分はわずかだ。
 川越副会長は「これまでは協力してきたが、県の通知後、会員から反発の声も寄せられている。こうした状況が続くと猟師の減少にもつながりかねず、待遇の改善が必要」と不満を漏らし、今後、県に申し入れなどを行うことも検討中だ。
 クマの生態に詳しい東北芸術工科大の田口洋美教授も、「猟は鉄砲があればできるのではなく、猟友会のように知識や技術があって初めてできる。肉を消費できないのであれば、日当を出すなどの補償が必要」と指摘する。
 同課では、「通知で示した地域で捕獲されたクマを買い取ったり、猟師が負担している処理費用を公費で賄ったりするなど、対応を検討したい」としている。
 *有害鳥獣捕獲 農作物被害や人への危害を防ぎ、適切な個体数を維持するためなどに主に禁猟期間に動物の捕獲を行うこと。同課によると、2011年度(2月末現在)に県内で捕獲されたツキノワグマは143頭。このうち109頭が有害鳥獣捕獲で、過去10年間の平均は201・4頭。
(2012年5月12日  読売新聞)

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