2012年6月8日金曜日

橋下の敗北宣言 「最初に大風呂敷を広げて落としどころを考える、橋下さんのいつものやり方です」(大谷昭)


週間朝日EXデジタル
ジャーナリストの大谷昭氏 橋下氏の原発再稼動容認は「財界へ恩を売るため」

 原発事故はいまだ収束せず、検証も対策も中途半端なままだ。そんな中、野田政権は原発再稼働に向けて動いており、大きな波紋が起きている。


 そんな中、国民を唖然とさせたのは、この人の手のひら返しだろう。


「負けたと言えば負けたと思われても仕方ない。変に屁理屈をこねて、ああだこうだ言っても仕方がない」


 6月1日、大阪市の橋下徹市長は、大飯原発の再稼働問題について「敗北宣言」をした。


 ずいぶんなものだ。


 かねて橋下氏は、滋賀県の嘉田由紀子知事や京都府の山田啓二知事らと、「脱原発」の姿勢を鮮明にしてきたではないか。順に発言を振り返ってみよう。


「電力が足りないから原発が必要と言うのは脅し。『サインしなければ、あなたの命はどうなるかわかりません』という霊感商法と同じだ」(昨年6月29日)


 4月に野田政権が再稼働を押し切ろうとしたときは、「ストップをかけるには民主党政権を倒すしかない」とボルテージは最高潮に。それが5月に入るや、


「原発がどうしても必要だという場合にも、動かし方はいろいろある。安全基準ができるまで、1〜3カ月の臨時運転という方法もあるのでは」(5月19日)


 と急速にトーンダウン。そして冒頭の敗北宣言だ。なぜこうも簡単に白旗を掲げたのか。橋下氏をよく知るジャーナリストの大谷昭宏氏は、「変節でも何でもない。最初に大風呂敷を広げて落としどころを考える、橋下さんのいつものやり方です」とバッサリ。さらに大谷氏は「橋下さんはそもそも原発推進論者だ」と言い、こう続けた。


府知事時代、彼は関西電力の元役員を副知事に据えるなど、関電と蜜月関係にありました。元々が財界寄りの人間です。深読みすると、最初から『暫定的な再稼働』という落としどころを考えつつ、有権者には『脱原発』というポーズを見せ、財界にはギリギリで再稼働に舵を切ってみせる。そうして財界に恩を売ろうとしたのでは

※週刊朝日 2012年6月15日号

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もうちょっと前の記事も参考になる。

週間朝日EXデジタル
ジャーナリスト大谷昭氏 橋下徹大阪市長は「関電に弱みを握られたのでは?」

 再稼働問題に揺れる大飯原発。ゴールデンウィーク前に、「関西地区の夏の電力は不足する」という関電の試算結果が出ると、橋下徹大阪市長は


「再稼働をやめればどういう負担が生じるか認識してもらったうえで、府民に是非を判断してもらわなければいけない。税額は1人千円程度になる」


唐突に節電新税の創設をぶち上げた。市民から徴収した税金を財源に、大幅に節電した企業などに奨励金を払うというプランだ。


 脱原発の立場を取っていた橋下氏のこの言動に対し、「弱みを握られるなど、裏で関電と何かあったのではないか、と疑っています」と分析するのは10年前から橋下氏をよく知るジャーナリストの大谷昭宏氏だ。


 橋下氏は府知事時代、関電元会長の秋山喜久・関西経済連合会相談役の呼びかけで設立された「関西広域連合」に参加した。関電元役員を副知事に抜擢するなど震災以前までは関電と"蜜月"関係にあったという


 だが、昨年、大阪市長になると、飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所所長)、古賀茂明氏(元経産省官僚)、河合弘之弁護士(脱原発弁護団全国連絡会代表)らそうそうたる『脱原発派』の専門家をブレーンに招き、「大阪府市エネルギー戦略会議」を設置した。


「秘書に大量の原発本を買い込ませた橋下さんは連日、不眠不休で猛勉強してはったな。午前3時過ぎでもメールを次々と送り、古賀さんらブレーンを質問攻めにし、『いつ寝ているのか』と驚かせたほどでした」(大阪市役所職員)


 原発だけではない。行財政改革や大阪都構想など、橋下氏が東京など遠方から呼び寄せ、「高い授業料」を払っている「橋下ブレーン」は現在、53人いるという。「大飯原発の件では、橋下氏はパートナーである松井大阪府知事と一緒に、提言を持って官邸に乗り込み、その後、野田政権を批判する会見をした。選挙をにらみ、政権にケンカをふっかける政治パフォーマンスはさすが『トリックスター橋下』です」(府市統合本部関係者)

※週刊朝日 2012年5月25日号

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