2012年8月17日金曜日

「TVのバカなアナウンサーの絶叫によって、みなが「頑張れニッポン」になってしまう危うさ。」(ゲンダイネット)

ゲンダイネット
だから簡単に野田ペテン師にだまされてしまうのだ
2012年8月13日 掲載
「なでしこの活躍に勇気をもらった」というバカな日本人について

<それが分からない日本人が多数を占めるこの国はもうオシマイだ>
 日本が史上最多、38個のメダルを取ったロンドン五輪が終わった。日本選手の活躍はまあ、いいとして、こんな数字はどうだろう。女子サッカー、なでしこと米国の決勝戦の視聴率だ。10日未明、というか朝方だったのにナント、24.8%を記録したのだ。その熱狂ぶりは「感動した」「勇気をもらった」「ありがとう」なんて、コメントに表れていて、中には涙ぐんでいるアナウンサーやタレント、コメンテーターもいたのだが、これは異様だ。
 そうやって、日本人がおそらく、エアコンが効いた部屋でTVに熱狂している一方で、原発からは放射能が今も漏れている。原発再稼働が大きな政治問題になっている。さらに、民自公の談合によって、日本経済を破滅に導く消費増税法案が可決・成立したのは、なでしこの決勝戦当日なのである。
 本来ならば、13.5兆円の大増税は大きな議論になってしかるべきだ。なにしろ、国民の6割が反対している天下の悪法なのである。ところが、国民は五輪に夢中で、消費税なんか、忘れてしまった。
 暴政には、てんで無関心で、五輪で「勝った」「負けた」とバカ騒ぎするだけの日本人。為政者はシメシメだろうし、3S政策よろしく、そうやって、国民を思考停止にさせているメディアの罪も重大だ。ジュネーブ在住の国際政治学者、安井裕司氏はこう言った。
「日本の五輪への関心の高さには驚かされます。特に仰天したのがアナウンサーが一番、興奮していることです。欧州ではこの時季、多くの人がバカンスに出かける。TVを見ている人は少ないし、そもそも、五輪でそれほど騒がない。『ニッポン』『ニッポン』のようにナショナリズムが煽られることもありません。まして、冷静であるべきアナウンサーが先頭に立って絶叫するなんて、ビックリです。日本のTVの騒ぎ方と、それに煽られ、熱狂している国民を見ていると、日本人の国民性がよく分かりますよ」

<人間は主体的に生きるのだ>
 TVのバカなアナウンサーの絶叫によって、みなが「頑張れニッポン」になってしまう危うさ。主体性がないから、すぐにアホなメディアに洗脳されてしまう怖さ。これほど無邪気な国民もいないのではないか。だから、野田のようなペテン首相にコロッとだまされてしまうのだ。

「ちょっと考えれば、おかしいと気づくのに“長いものには巻かれろ”“泣く子と地頭には勝てぬ”とあきらめてしまう。これが日本人の習性です。こういう国民性だから、戦前は大本営発表を信じて、ひどい目にあった。そうした経験があるのに、この習性は変わっていない。『消費税を上げなければお国が大変だ』と信じ込まされ、『まあしょうがないか』とあきらめてしまう。そこに五輪が重なったものだから、増税のことは頭の隅に追いやられてしまったかのようにです。なぜ、通常国会を延期して、8月10日に参院採決になったのか。こうした国民性を見越して、財務省が五輪のスケジュールに合わせたんじゃないか。だとすると、今後もいいようにやられてしまう。もう消費税再引き上げの話が出ているのがいい例です」(作家の三好徹氏)

 日本で民主主義が成熟しない理由は何なのか。政治家がデタラメなのはもちろんだが、それだけではなかった。日本人は主体的に生きているのか。今度の五輪で、その答えがよくわかった。

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