2012年9月12日水曜日

福島の子どもの健康調査で初めて甲状腺がんの診断。 県はさっさと原発事故の影響なしと言い切る

■朝日新聞
子どもの甲状腺検査で1人がん 福島県、被曝の影響否定
 福島県は11日、東京電力福島第一原発事故による健康影響調査の一環で、18歳以下の子どもに行った甲状腺検査の結果約8万人分を公表した。1人が甲状腺がんと診断されたが、甲状腺がんは被曝(ひばく)から最短でも4~5年後に発症しているとして、被曝による影響は否定した。今後、甲状腺に異常が出る人がいないか、生涯にわたって調べていく。

 県は、事故当時18歳以下だった約36万人について生涯、甲状腺に異常が出ないか検査する計画だ。チェルノブイリの原発事故や原爆などのデータから、甲状腺がんは被曝から数年~数十年後に発生すると考えられている。現行の調査は、現状を把握して、今後、健康影響が出ないか、つかむ基礎データとして使う。

 県は11日の県民健康管理調査の検討委員会で、8月24日までにまとまった約8万人の結果について報告した。425人で5.1ミリ以上のしこり(結節)や、2.1センチ以上の液体の入った袋状の「嚢胞(のうほう)」が見つかり、2次検査が必要とされた。このうち、38人で2次検査が終わり、1人が甲状腺がん、27人が良性腫瘍(しゅよう)と診断された。



■毎日JP
東日本大震災:福島の子ども検査、初の甲状腺がん 原発事故と関係否定
毎日新聞 2012年09月12日 東京朝刊
 福島県の子どもの甲状腺検査で初めて1人が甲状腺がんと診断されたことが11日、県民健康管理調査の検討委員会(座長=山下俊一・福島県立医大副学長)で報告された。同大で担当の鈴木真一教授は「チェルノブイリ事故後の発症増加は最短で4年」などとして、福島第1原発事故との因果関係を否定した

 昨年度受診した原発周辺13市町村の3万8114人のうち、一定以上の大きさのしこりが見つかった2次検査対象者186人の中の1人。性別や年齢は公表していない。細胞検査でがんと分かった。甲状腺検査は同管理調査の一環で、事故時18歳以下だった約36万人全員が対象。これまでに約8万人が終えた。

 検討委では、40歳以上の特に男性で、肥満や肝機能異常のある人の割合が震災前より増えたことも報告された。避難生活のストレスなどが原因と考えられるという。【乾達】


■NHKニュース
子ども甲状腺検査で初めてがんの診断
9月11日 19時23分
原発事故を受けて福島県が進めている子どもの甲状腺検査で、再検査を受けた1人に甲状腺がんが見つかりました。
この検査でがんが見つかったのは初めてですが、検査に当たった福島県立医科大学は、原発事故による放射線の影響とは考えにくいとしています

これは、11日に開かれた福島県の健康調査の検討委員会の中で、県が明らかにしました。
原発事故で放出された放射性ヨウ素は子どもの甲状腺に蓄積してがんを引き起こすおそれがあるため、福島県は事故当時18歳以下だったすべての子どもを対象に検査を行い、ことし3月までに避難区域の3万8000人余りが検査を受けました。
しこりが見つかるなどしてこれまでに60人が再検査を受け、このうち1人から甲状腺がんが見つかったということです。
この検査でがんが見つかったのは初めてです。
これについて、検査を担当している福島県立医科大学の鈴木眞一教授は、記者会見で「子どもの甲状腺がんが増加したチェルノブイリの原発事故では福島よりも多い量の放射性物質が放出されたが、事故からがんが発症するまでの期間は最短でも4年程度だった」として、今回見つかったがんについては原発事故による放射線の影響とは考えにくいと述べました
そのうえで、「甲状腺がんは症状が出てから検査を受けて初めて見つかるケースが多く、見つかったとしても一般的に治療の経過がよいため、慌てる必要はない」と説明しています。


■福島民報
甲状腺がん1人確認 福島医大「放射線の影響ない」
 11日に福島市で開かれた県民健康管理調査検討委員会で、福島医大は子どもを対象とする甲状腺検査について、二次検査の結果、1人の甲状腺がんが確認されたと報告した。検査で甲状腺がんが見つかるのは初めて。福島医大は「放射線の影響ではない」としている。
 甲状腺検査は東京電力福島第一原発事故時に18歳以下だった子ども約36万人が対象で、検査結果が判明したのはこれまでに約8万人。
 今回、甲状腺がんが見つかったのは平成23年度実施分の二次検査。23年度は双葉郡8町村と伊達市、南相馬市、田村市、川俣町、飯舘村の13市町村の3万8114人で一次検査を実施した。
 186人から5.1ミリ以上のしこりなどが確認され、二次検査対象(B判定)となった。検査を終えた38人のうち、超音波検査や細胞を吸引して詳細に調べた結果、1人が甲状腺がんと確認された。それ以外は良性だった。
 福島医大は対象者についてプライバシー保護の観点から性別や年齢、住所、被ばく線量などを公表していない。
 福島医大は24年度の一次検査結果も公表した。福島市の4万2060人を検査し、「直ちに二次検査を要する」(C判定)と判定された県民はいなかった。二次検査対象は239人で全体の0.6%。23、24年度では425人に上る。
 しこりなどが見られない「A1判定」は2万3702人で全体の56.3%、5.0ミリ以下のしこりなどがある「A2判定」は1万8119人で43.1%だった。

■「高い外部被ばくない」福島医大鈴木教授
 甲状腺検査で甲状腺がんが見つかったことについて、調査を担当する県民健康管理調査検討委員会の鈴木真一福島医大教授は「内部被ばくのあったチェルノブイリ事故でさえ甲状腺がんは発生まで最短で4年。本県では広島や長崎のような高い外部被ばくも起きていない。事故後1年半しか経過していない本県では、放射線の影響とは考えられない」と東京電力福島第一原発事故の影響を否定した。
 検討委の座長を務める山下俊一福島医大副学長も検討委として同様の見解を示した。
 鈴木教授らによると、子どもの甲状腺がんの頻度は100万人に1~2人といわれるが、通常はしこりを感じる本人の自覚症状などで数センチ大になってから見つかるケースが多いという。今回のように18歳以下全ての子どもを対象に精度の高い超音波検査を実施した例がなく、「比較はできない」としている。
 首都大学東京大学院放射線科学域長の福士政広教授は「甲状腺がんの進行は遅く、現段階で原発事故の放射性ヨウ素を原因とする症状が出ることは考えられない。今回症状が確認された人は原発事故以前から発症していたはずだ」と指摘する
( 2012/09/12 09:08 カテゴリー:主要  )

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福島原発からの放射線の影響はない、と言下に言い切っているが、
この人たち、
「日本という国が崩壊しないよう導きたい。 チェルノブイリ事故後、・・・訴訟が多発し、補償費用が国家予算を圧迫した。」 (山下俊一)
という記事で紹介したように、
もともと、にこにこ笑ってれば放射能なんか怖くはないという、
東電、政府(福島県も含む)にとってはとっても有り難い考えの持ち主

上記の記事でも「毎日」の取材に対して、

「 −−放射線の影響をどう判断するのか。
 ◆小さながんも見つかるだろうが、甲状腺がんは通常でも一定の頻度で発症する。結論の方向性が出るのは10年以上後になる。県民と我々が対立関係になってはいけない。日本という国が崩壊しないよう導きたい。チェルノブイリ事故後、ウクライナでは健康影響を巡る訴訟が多発し、補償費用が国家予算を圧迫した。そうなった時の最終的な被害者は国民だ。

と言っている。

眼は患者の方を向いていない。
統治者の目線である

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