2012年10月26日金曜日

昭和17年(1942)9月 ボーイング、B29試作1号機完成 第2師団(丸山政男中将)、ジャワよりラバウル着

東京 北の丸公園 2012-10-26
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昭和17年(1942)
9月21日
・人民戦線事件判決。山川均懲役5年など。大内兵衛・美濃部亮吉らは無罪。
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9月21日
・北部九州私鉄4社が合併、西日本鉄道となる。
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9月21日
・満洲開拓団編成助成規則公布。
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9月21日
・陸軍報道班員作家里村欣三・堺誠一郎、北ボルネオのクチン到着。
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9月21日
ボーイング、B29試作1号機完成
41年5月17日、アーノルド米陸軍航空部隊司令官、試作着手段階で量産の内約、試作第1号機が飛ぶと同時に1664機を注文。
1939年9月第2次大戦勃発直後、米本土防衛用にB29が計画される。
ドイツが南米を交配し、米本土を空襲する懸念があり、南米まで飛べる爆撃機が必要とされた為。
議会は研究用に470万ドルを支出、アーノルド司令官は、ボーイング、ロッキード、ダグラス、コンソリデーテッド各会社に、行動半径2千マイルの長距離爆撃機試作を発注。
各社夫々ⅩB29、ⅩB30、ⅩB31、ⅩB32の暗号名で試作に入るが、ロッキード、ダグラス両社はやがて製作中止し、B32は戦争末期に数機が間にあうだけ。
B29は、VLR(ペリ・ロング・レインジ=超長距離)またはVHB(ペリ・ヘビー・ボマー=超重爆)と呼ばれ、後に正式に「スーパー・フォートレス」(超要塞)と名付けられ、一般には「空飛ぶ要塞」「夢の飛行機」「コウノトリ」「大きな兄貴」などの通称が与えられる。
B29は3万フィート以上を飛び、高射砲弾の心配は少なく、戦闘機の迎撃も困難な高々度。
従って、機体は、低空飛行に必要な迷彩をほどこさず、銀色のアルミ地肌のままである。
B29は、安全に大量の爆弾を投下できる理想的な戦略爆撃機で、その爆撃能力を活用するのが、対日戦勝の近道である。
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9月22日
・米の戦後対外関係諮問委員会の安全保障問題小委員会、北緯30度以南の全諸島に対する日本の支配権を剥奪すべきだが、琉球は日本に残してもよいと結論。
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9月23日
・イギリス軍、マダガスカルの首都タナナリヴ占領
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9月23日
・ドイツ「アッティカ」作戦。黒海沿いトゥアプセ経由でソチ、スフミ、バトーミと向かう作戦。
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9月24日
・ヒトラー、陸軍参謀長ハルダーを解任。
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9月24日
・米軍艦「スティーブン・ホプキンズ」、独通商破壊艦「シュティーア」と戦闘、両艦ともに沈没
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9月25日
・ユーゴスラヴィア、チトー率いるパルチザン、ヤイツェ解放。
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9月26日
・ニューギニア、ポートモレスビー東北約50kmに迫まる南洋支隊、撤退開始。
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9月26日
・陸軍防衛召集規則公布、「国民皆兵」原則実現、召集対象が拡大、総力戦体制の実感
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9月26日
・間接肥料販売制限規則、朝鮮寄留令公布
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9月26日
・古河工業日光電気精銅所待遇改善要求署名、1,500名。首謀者十数名を検束し取調。
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9月27日
・トラックの連合艦隊山本司令長官、ガダルカナルへの船団輸送・護衛の要請の同意。
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9月27日
・ソ連、仏のド・ゴール政権を承認。
10月2日、アメリカ、同政権承認。
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9月29日
第17軍第2師団(丸山政男中将)第1梯団、ラバウル着。後続部隊も続々到着。
第2師団第1梯団(師団司令部、歩兵第29連隊、野砲兵第2連隊の1中隊、工兵第2連隊主力)は、19日スラバヤ発、29日ラバウル着。
第2師団先遣隊(歩兵第16連隊本部、同第3大隊、速射砲半中隊、連隊砲半中隊)は20日既にラバウル着。
同師団第2梯団のラバウル着は10月6、7日両日。
大陸命688号によって第17軍に編入された第38師団も第2師団に続いてラバウルに到着。
第1梯団10月6日、第2梯団19日、第3梯団30日、東方支隊10月8、13日。

第2師団の兵力も、続々とラバウルに到着、街の周辺のヤシ林にテソトを張る。兵に至るまで金時計、防水時計を腕にまき、一見して快適なジャワ占領地生活にひたりきっていた印象を受けるが、とにかく、そのジャワ攻略で勇名をはせ、精鋭をうたわれてきた師団である。いままでの一木、川口両支隊とは、兵力、装備、素質ともに段違いのはずである。

第2師団長丸山政男中将は、百武第17軍司令官より「速ニガ島ニ前進シガ島攻略ノ目的ヲ以テ十月十七日頃迄ニ飛行場附近ノ敵ニ対シ攻撃ヲ準備スへシ」という任務を受領、10月3日ガダルカナル上陸。
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9月29日
・米軍、ガダルカナル島に将兵19,000投入
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9月29日
・イ25号潜水艦搭載機、再度空襲を行う、米カ本土空襲は唯一の事例
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9月29日
・バンコクに泰国文化研究所設立
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9月30日
・大日本産業報国会、「労務報国会設立要綱」とともに、全国地方長官宛厚生・内務両次官連名の「労務報国会設立ニ関スル件」依命通牒。日傭労務者130万人の組織化。
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9月30日
辰巳栄一少将(前駐英武官、8月20日交換船で帰国)、東部軍参謀長に任命。空襲下ロンドンを知る辰巳の経験を生かそうとする人事。
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9月30日
・大本営、中畑部隊を基幹として、新たに独立守備歩兵第40大隊(佐合部隊)、第41大隊(大塚部隊)を編成完結。ボルネオ守備軍では、第40大隊をクチン地区に、第41大隊をサンダカン地区に配置。
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9月30日
・自動車修理用部分品統制規則
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9月下旬
川口少将、第17軍百武司令官(百武晴吉中将、参謀長宮崎周一少将、作戦主任参謀小沼治夫大佐)に招致され、ガ島戦況について説明。戦力の貧困(とくに飢えと疲労)、地形の峻険、敵戦力の強大(航空支援、火力、電波探知機等)など。
実状に則した説明だが悲観的な事実認識は、軍司令部員の反感をかい後の罷免事件に繋がる。
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