2012年12月30日日曜日

フランス憲法会議、富裕層増税の仕組みに公平性の原則に反する部分があると判断

NHK
仏 富裕層大幅増税取り消す決定
12月30日 4時51分

フランスのオランド大統領が打ち出し、議論を呼んでいる、富裕層に対する大幅な増税について、フランスの憲法評議会は、公平さを欠くとして取り消す決定を下しました。

この増税は、富裕層の年収のうち、100万ユーロ(日本円にしておよそ1億1000万円)を超える所得に対して75%の高い税率を課すもので、オランド大統領がことし5月の大統領選挙の際に公約として打ち出していました。
政府はこの課税による税収を見込んだ来年の予算案を編成し、今月、可決されましたが、野党側は、不公平な税制だとしてフランスの憲法裁判所にあたる憲法評議会に審理するよう求めていました。
これについて、憲法評議会は29日、「公平性を欠いており、一部に過剰な負担を強いることになる」として、取り消す決定を下しました。
今回の決定により政府は予算の見直しを迫られることになりますが、エロー首相は声明を発表し、「決定は予算全体を問題視しているわけではない」として、別の課税方法を導入する考えを示しました。
富裕層に対する大幅な増税を巡っては、これに反発して、負担がより少ない隣国のベルギーへ移住する高額所得者が相次ぐ一方、一般国民の間からは税金逃れだと批判が強まるなど、フランス国内で議論を呼んでいました。

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perspective ‏@prspctv
これじゃまるで富裕層増税自体が違憲とされたように読める。実際の違憲理由は「平等原則からすれば、課税対象を個人所得ベースではなく、世帯所得ベースにすべきではないか」という点のはず。|12/30NHK:仏 富裕層大幅増税取り消す決定 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121230/k10014528921000.html …

perspective ‏@prspctv
「夫婦ともに100万ユーロ近い所得がある場合、片方だけに所得があり100万ユーロを超える世帯よりも、世帯年収が高いのに税負担が軽くなる可能性がある点を問題視」|12/29日経:最高所得税率引き上げ認めず 仏憲法会議、政権に打撃 http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2901M_Z21C12A2FF8000/ …
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日経新聞
最高所得税率引き上げ認めず 仏憲法会議、政権に打撃 
2012/12/29 22:05 (2012/12/29 23:34更新)

 【ロンドン=共同】フランスの法律などが憲法に違反していないかを審査する憲法会議は29日、政府が2013年1月から導入する方針だった最高所得税率の75%への引き上げを違憲と判断し、却下した。ロイター通信などが伝えた。

 税の公平性の原則に反することが理由。最高税率は年収100万ユーロ(約1億1千万円)以上の高所得者が対象だが、夫婦ともに100万ユーロ近い所得がある場合、片方だけに所得があり100万ユーロを超える世帯よりも、世帯年収が高いのに税負担が軽くなる可能性がある点を問題視した。

 エロー首相は29日、憲法会議の指摘を受け、税率引き上げ法案を再提出する意向を示した。75%という水準自体を憲法会議が否定したわけではないため、最高税率は堅持するとみられる。

 先進国の中で突出して高い75%への最高所得税率引き上げは、17年ぶりの社会党大統領としてオランド氏が掲げた看板政策の一つ。制度の不備を指摘され、予定通りの導入ができなくなったことで、政権には打撃となりそうだ。

 審査は保守系野党が申し立てていた。増税は年3億~5億ユーロ程度の税収増をもたらすと試算される一方、高い税負担を嫌う富裕層の国外流出を招くとの批判がある。



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