2013年1月10日木曜日

忌野清志郎『瀕死の双六問屋』を読む(その1)

江戸城(皇居)東御苑 2013-01-08
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忌野清志郎『瀕死の双六問屋』を読む(その1)

2012/12/12の記事
忌野清志郎『瀕死の双六問屋』。「地震の後には戦争がやってくる。軍隊を持ちたい政治家がTVででかい事を言い始めている。」 ← コチラ
には多くの訪問を戴いた。

以下、3回程度に分けて、小学館文庫本によって本書の読書ノートを掲載する。
但し、読み易くするために、適宜、改行・段落を施す。
この記事によって、本が売れなくなると大問題なので、当然ながら、紹介する部分はホンの一部とする。

瀕死の双六問屋 (小学館文庫)
瀕死の双六問屋 (小学館文庫)

さて、
本書の由来(初出)であるが、それは以下であるという。

●本書は、「TV Bros.」(東京ニュース通信社)1998年11月21日号~2000年7月22日号の連載に加筆・修正をしたものです。
(ただし「各語のレコード解説」「没原稿その一~その三」は当時の書き下ろし、「号外」は2000年3月3日に行われた武道館でのライブ「RESPECT!」のパンフレット用原稿)

尚、文庫版の「注」は、「林みかん」の執筆とのこと。

著者キヨシローのこの本への意気込みは、ご本人による簡潔な記述、「文庫版あとがき」(2007年7月)によく現れている。

略)
 『瀕死の双六問屋』の物語は、俺が唯一(絵本以外で)というくらい、まじめに(ゴーストライターやインタビューおこしではなく)自分で書いたものだ。
たいして話題にはならなかったが、とても気にいってる一冊である。
文庫として復活するとはゴキゲンなことだ。
俺の再生、完全復活の先駆けのようで、幸先のよい出来事だと思う。

たくさんの、勇気を与えてくれた皆さんに感謝します。
                     忌野清志郎/2007年7月

ご存知かどうか、この時キヨシローはガンからの生還を果した頃だった。
この経緯も「文庫版あとがき」に詳しい。(省略)

それでは、第1話より
(第一話は何度読んでも飽きない。キヨシローの発想の自由さがよくわかる。)

第一話 問屋からきた男
 双六問屋に行ったことがあるかい? 
そこはみごとな世界だった。
双六問屋の世界では履歴書などいらない。
学歴や職歴を誰に告げる必要もないのだ。
タレントが画廊で個展をひらいたりしないし、歌の下手な者がCDを出したりもしない。
退屈な夜をうすっぺらい笑いや、ブスい女の裸でうめようともしない。
そんな必要はないからだ。
みんなが自分の本当の仕事を持っているのだ。
だから当然流行に流されて右往左往してる者もいない。
若者は目上の人々に敬意をいだき、年長者は何が本当に大切なものかよくわかっている。
双六問屋は理想郷であった。
だが今は遠い。
俺ははるか遠い旅をぶっとばしてきたのさ。
だからすぐには君と話がかみ合わなくても仕方がない。
理解不能なことを俺が言い出したとしても、まあ大目にみてもらいたいもんだな。

 いろいろと世の中は忙しく貧しく混乱してきているようだが俺にはあまり関係ない。
人々は笑顔や軽い挨拶をどんどん忘れていく。
シャイな若者が充満しているので世界中がぎこち無くなってしまった。
俺はずっと楽しみにしていたんだぜ。
ここに来て君と何か話をしたかったんだ。
昔、俺はずっとシャイだったが、世の中が超シャイになってしまった現代ではとても図々しい態度のロック・スター・オヤジに見えるらしい。
イモなスポーツ新聞にはロックのバイアグラなんて書かれてたな。
ロックのインポテンツの方が俺はなんだかかっこいいような気もするぜ。
60年代のサイケデリックな感じがしないかね? 
・・・・・あ? しないのね。

第二話 小部屋へ向かう道

第三話 孤独の叫び

第四話 防波堤は風の中

第五話 悪い星の下に

第六話 新しい旅立ち

第七話 リスト・バンドを残していった男

第八話 恋のダイヤモンド・リング

第九話 双六問屋へ帰りたい

第十話 エレファントラブがやってくるヤァー・ヤァー・ヤァー

    絵画開眼一

第十一話 がんばれ! アフロ之助・外伝

(その2)に続く
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