2013年6月29日土曜日

“原発再稼働ありき”で突き進む安倍政権への警鐘 (田中秀征)

ダイヤモンドオンライン
“原発再稼働ありき”で突き進む安倍政権への警鐘
田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]

(略)

 おそらく、今回の原発事故が自民党政権下で起きたならこうはならなかった。自民党政権下でも民主党と同じように脱原発の方向に向かっていたはずだからである。

 民主党政権の「2030年代に原発ゼロ」の方向は正しいが、いかにも及び腰でそれが確定的になる前に無意味な解散総選挙に持ち込んでしまった。自民党は政権の座に就くとこれを難なく撤回し、あたかも、「再稼働による経済成長」か、それとも「脱原発による経済停滞」かの二者択一を参院選で国民有権者に迫ろうとしている。

 だが、それで通ると考えているとしたらいかにも読みが甘い。なぜなら「脱原発への国民の決意は決して風化しない」からである。

(略)

原発事故を起こした日本は
「歴史」と「世界」に責任を果たすべき

 私はかねてから、原発事故への対応には、日本の現世代に対する責任の他に、2つの大きな責任があると言ってきた。

 それは①「歴史に対する責任」と②「世界に対する責任」である。

(略)

 われわれは、自分たちのことだけでなく、後世の人たちへの歴史に対する責任と、諸外国の人たちへの世界に対する責任を果たそうではないか。

 「最初に再稼働ありき」の対応をやめ、誇らしい先例を残すことに全力を挙げたいものだ。


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