2013年7月30日火曜日

福島第一原発 汚染水漏れ 打開策なし 規制委、汚染水漏れの特定へ8月に作業部会

東京新聞
汚染水 打開策なく 福島第一港湾内
2013年7月30日 07時02分

 東京電力福島第一原発で海洋汚染が拡大する恐れが高まっている問題で、汚染源とみられるトレンチ(地下のトンネル)の構造や問題点が見えてきた。ただ、高濃度汚染水がどこにたまっているかなど状況が分かるほどに、あらためて問題の深刻さが浮かび上がる。この問題を打開しなければ、事故収束の道筋は見えてこない。 (小野沢健太)

 東電は「海への拡散は限定的」としきりに強調するが、福島第一の専用港内の海水データをみると、ストロンチウムなどの汚染は、ほぼ全ての場所で法令で放出が認められる濃度限度を超えた。取水口近くでは十倍以上の濃度。湾内は除染や覆土などの対策を講じても、かなりの汚染度だ。

 汚染源と確実視されるのは、タービン建屋から地下に縦横無尽に延びるトレンチ。海水をくみ上げる配管や、ポンプを制御するケーブルなどが収められている。事故発生当初の二〇一一年四月に高濃度汚染水が漏れた際も主な漏出源で、取水口近くは薬剤(水ガラス)やコンクリートで止水対策が済んだとされていた。しかし、トレンチ内の汚染水そのものは放置されてきた。

 二年前に漏れたのは約五百二十トンとされるが、トレンチ内には高濃度汚染水がその二十倍以上の約一万千トンはあるとみられる。

 二十七日には、東電が汚染水はたまっていないとしていた浅いトレンチでも、一リットル当たり二三億五〇〇〇万ベクレルの放射性セシウムを含む高濃度汚染水が確認された。トレンチの汚染水量は、増えることが懸念される。

 さらに事態を難しくしているのは、建屋地下からもケーブルのすき間などから汚染水がトレンチに流れ込んでいる恐れが高いこと。東電はトレンチの汚染水をくみ出して建屋に戻すことも検討しているが、こんな状況では解決にならない。

 原子力規制委員会事務局が二十九日に示した分析では、浅いトレンチの砕石層は海抜二・五メートル以下の高さで、そこには地下水が達し、汚染水が拡散したり漏出したりする危険性が高い。

 規制委は、地下水や地層の専門家らでワーキンググループをつくり、汚染水問題に取り組むという。しかし、再度の海洋汚染が確定的になってから。対応の遅れは否めない。
(東京新聞)


YAHOOニュース
汚染水漏れ複数か 規制委、特定へ8月に作業部会
福島民友新聞 7月30日(火)11時4分配信

 原子力規制委員会は29日、東京電力福島第1原発の地下汚染水が海に漏れた問題を集中審議し、2号機タービン建屋東側にある電源ケーブル用など各種地下道(トレンチ)にたまった高濃度汚染水が複数箇所から漏れたことを想定して早急な対策が必要だと指摘した。担当の更田豊志委員は、土木などの専門家も集めた作業部会を8月中に設置、漏えい源の特定や海洋流出防止策の検討を強化する考えを明らかにした。

 規制委は、トレンチの底に敷かれた砂利の層が広い範囲に及ぶ上に、測定地点ごとに汚染地下水の放射性物質の検出値に差が出ているため、漏えい源が複数地点ある可能性を指摘した。満ち潮に合わせて地下水の水位も上がり、この砂利層に漏れ出た汚染水が地下水、さらには海水へと混じり合っているという見方だ。

 今回の問題について東電は、事故直後の2011(平成23)年4月、トレンチを通じて海に流れた高濃度汚染水が残っているとみているが、漏えい源や漏水量の特定はできていない。複数地点から漏れている場合、漏水防止対策が一層難航するのは必至だ。

福島民友新聞

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