2013年7月30日火曜日

台湾 国防相更迭、後任に副国防相…兵士死亡事件で

毎日JP
台湾:国防相更迭、後任に副国防相…兵士死亡事件で
毎日新聞 2013年07月29日 21時13分(最終更新 07月29日 21時58分)

 【台北・鈴木玲子】台湾で兵役に就いていた男性が処罰で送られた軍施設で訓練後に死亡した事件で、江宜樺・行政院長(首相)は29日、高華柱・国防部長(国防相)の更迭を含む内閣の一部改造を発表した。後任は楊念祖・国防副部長(副国防相)。真相究明を求める世論の圧力は日増しに強まっており、馬英九総統は更迭により内政の早期安定を図ったものとみられる。

 事件は、猛暑の中、「しごき」ともいえる訓練の末に洪仲丘さん(当時23歳)が死亡。その後、洪さんがいた監禁施設の映像が一部黒く見えなくなっているなど不自然な点が発覚した。徴兵制の台湾では、子どもを持つ親らに不安が広がるなど社会問題化した。今月20日には国防部前で3万人が座り込みデモを行った。

 事件後、馬総統は高部長の辞意を慰留していた。だが、来月3日にも再び大規模デモが計画されているほか、馬総統が同11日から中南米などを訪問予定で、長期不在となることから、世論の沈静化を急ぐ必要性に迫られたものとみられる。江院長は29日、内閣改造について「全体の施政状況を考慮した」などと述べ、更迭理由については説明しなかった。

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