2015年1月30日金曜日

1月29日ピケティ講演 : 日本経済については「低成長が続くなかで、過去に蓄積した富が不平等につながる」と指摘(日経新聞) / 金融緩和に対する批判的な見解を表明(池尾和人) / 「日本は所得格差を縮めるために富裕層に重課税を」(JAPANTIMES) / 「不平等」って言葉を日本では格差って言うけど、不平等って言う場合は民主化の問題含む。その大切さがわかった気がします。 / 「21世紀の資本」著者ピケティ氏がアベノミクスに“ダメ出し”(日刊ゲンダイ)       

【NHKパリ白熱教室 今回の来日講演(日仏会館・東大)関連↓】

日経新聞
ピケティ氏「物価上昇には賃金増しかない」 都内でパネル討論 
2015/1/29 20:38 (2015/1/30 0:32更新)

来日中のパリ経済学校教授のトマ・ピケティ氏は29日、東京都内で講演し、各国で広がる富や所得の格差は「グローバル化の結果だけではない」と述べた。「教育や労働市場、企業統治、財政政策が長期的に決定する」として、各国の制度や政策が大きな影響を与えると強調した。日本経済については「低成長が続くなかで、過去に蓄積した富が不平等につながる」と指摘した。

ピケティ氏は世界的なベストセラーになった著書「21世紀の資本」で、資本主義社会では「資本収益率が経済成長率を上回り、富や所得の格差が拡大する」とする仮説を唱えた。

講演では、格差の是正策として「累進課税は最も透明性が高く、民主的な制度だ」と強調。日本経済に関しては「国民所得に対する資産の比率は欧州の推移と似ている。比率はこの数十年上がってきており、相続財産に依存する社会に戻ってきている」と述べた。

講演後のパネル討論ではアベノミクスに触れて「リフレ政策は不動産バブルにならないか」と懸念を示し、「物価を上昇させるなら賃金を増やすしかない」と指摘した。

JAPANYIMES
BY HIROKO NAKATA
STAFF WRITER







ウォールストリート・ジャーナル
Piketty Nocks an Arrow for Abenomics


日刊ゲンダイ
「21世紀の資本」著者ピケティ氏がアベノミクスに“ダメ出し”  
2015年1月30日

 5940円もする経済専門書が発売から1カ月強で13万部のバカ売れ。日本でも空前の大ブームとなっている「21世紀の資本」の著者、仏経済学者トマ・ピケティ氏(43=パリ経済学校教授)が初来日し、29日に都内でシンポジウムが開かれた。

 資本主義社会で拡大する格差を、世界20カ国以上の過去200年の税務データから実証したピケティ氏。その主張は簡単に言えば、〈株や不動産などの投資で得られる利益率は、労働による賃金の上昇率を上回る。その結果、財産のある富裕層がさらに金持ちになり、格差拡大は止まらない。是正のためには、富裕層への世界的な資産課税強化が必要〉というものだ。

 さて、講演でのピケティ氏は、日本の現状についてこう言った。

「日本のように人口減かつ低成長の国では、過去に蓄積された資産が相続によって一部の富裕層により集中し、格差拡大の要因になる」

 日本も資産課税の強化が必要で、加えて男女平等により、出生率を上げる重要性を指摘した。

■消費増税や量的緩和にも厳しい指摘

 後半はパネルディスカッションだったのだが、パネリストのひとり、西村康稔内閣府副大臣が、政府の「雇用者100万人増」や「トリクルダウンの試み」について説明。「アベノミクスが格差を拡大しているというのは誤解である」と力説した。

 しかし、ピケティ氏はこれにやんわり反論。

「確かに日本の格差は米国ほどではない。しかし、上位10%の富裕層の所得は、国民所得全体の30~40%まで広がっています。日本がゼロに近い低成長なのに、上位の所得が増えているということは、裏を返せば、実質的に購買力を減らしている人がいるということです。日本の最高所得税率は1960~70年代より下がっています。上位10%の所得が増えているのに、税率が低い状態では格差が広がるばかり。所得税の累進性を高めるべきです」

 ピケティ氏は、消費増税や量的緩和についても厳しい見方だった。

「消費増税は正しいのかどうか。むしろ低所得者への課税を弱め、富裕層の資産課税を強めるべきです。紙幣を増刷することもいいのかどうか。税制改正より紙幣を刷る方がやりやすいですが、緩和したマネーがどこへ行っているのか分かりません。金融政策だけでなく、財政改革、教育改革、累進性のある税制改革も必要です」

 国会審議ではこのところ、ピケティ氏の格差拡大論や資産課税論が引き合いに出される場面が増えている。経済界のロックスターとまで呼ばれる人気学者に“ダメ出し”された安倍首相。それでもまだ「この道しかない」と言い続けるのだろうか。


NHK パリ白熱教室 第1回「21世紀の資本論」~格差はこうして生まれる~ / 第2回「所得不平等の構図」~なぜ格差は拡大するのか~

NHK <トマ・ピケティ講義> パリ白熱教室 第3回「不平等と教育格差」 ~ なぜ所得格差は生まれるのか~ / 第4回「強まる資産集中」~所得データが語る格差の実態~

1月30日 トマ・ピケティ講演「格差・税制・成長 『21 世紀の資本』の射程を問う」 @日仏会館 / 仏経済学者ピケティ氏、日本や世界の格差拡大を語る 「累進税で再分配を」 (THE PAGE)

1月31日 ピケティ記者会見 : ピケティ氏「若い人たち優遇の政策を」 (NHK)

1月30日 トマ・ピケティ氏、「民主主義は闘争。誰もが関わらなければならない」と日本の若者にメッセージ (BLOGOS ニコ生)

非正規労働者などの賃金底上げが本格化しない一方で、上位0.01%は億円単位で所得を増やしている ---- これが安倍政権による異次元緩和の現状と言えます。」(富裕層だけにバブルの恩恵 ピケティのデータベース) (「週刊東洋経済」編集部) (『朝日新聞』2015-01-31)

1月31日 トマ・ピケティ東大講義「21世紀の資本」(東大TV 日本語音声) / 熱弁ピケティ氏 in 東大 家庭が裕福?名門大生に「恥じることない」 トリクルダウン論「うまくいく保証はない (『朝日新聞』) / 山形浩生「ピケティ東大講義:教授どもは機会を無駄にするな!」(山形浩生の「経済のトリセツ」)








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