2015年1月31日土曜日

1月30日 トマ・ピケティ講演「格差・税制・成長 『21 世紀の資本』の射程を問う」 @日仏会館 / 仏経済学者ピケティ氏、日本や世界の格差拡大を語る 「累進税で再分配を」 (THE PAGE)


トマ・ピケティ講演「格差・税制・成長 『21 世紀の資本』の射程を問う」 
Thomas Piketty lecture on Capital in the Twenty-First Century
〈講演会の概要〉

【日時】
30日 午後5時開始

【内容】
1.トマ・ピケティ氏による、著書『21世紀の資本』の紹介
2.橘木俊詔氏(京都大学名誉教授、京都女子大学客員教授)を交えて、以下の3つの論­点を議論。

(1)ピケティの「21世紀の資本」は、1970年代末以降の日本の格差の変遷を説明­できるか。
(2)税制に関するピケティの提案は、日本において、どのような形で実施可能であるか­?
(3)日本のような成熟期にある経済の望ましい成長の態様について、どのように考える­べきか。

【対談者】
橘木俊詔(京都大学名誉教授、京都女子大学客員教授)

【司会】
セバスチャン・ルシュヴァリエ(フランス社会科学高等研究院)

THE PAGE
仏経済学者ピケティ氏、日本や世界の格差拡大を語る 「累進税で再分配を」
2015.01.30 22:00

 フランスの経済学者、トマ・ピケティ氏が来日し、30日に東京の日仏会館で講演を行った。京都大学の橘木俊詔(たちばなき・としあき)名誉教授とともに、世界で格差が拡大している現状、それを再分配して解決するための方法について議論した。

 ピケティ氏は、米国や欧州の事例を歴史的に振り返り、例えば米国では「現在は1920年代よりも富の集中が高い水準で、4%の人に集中している」と、一部の富裕層に富が集中する傾向がより強まっていると指摘。こうした「格差」はレーガン以降の米国では特に加速しているという。欧州でも格差は拡大しているが米国ほどではなく、日本の格差はこの米国と欧州の間くらいになると語った。

 橘木氏も、先進国で貧困率が一番高いのは17%の米国で、2番目は日本とのデータを示し、「日本は世界2番目の貧困大国。15%の人が貧困にあえいでいる不平等な国」と語った。ちなみにフランスは7%程度と低い水準になっている。

 ピケティ氏は、累進税を強化して再分配を進めるべきだと主張する。「いろいろな方法で再分配はできるが、やはり累進的な税制度ではないかと思っている。同時に格差はどう生まれるか。観察結果にそれを合わせる」と語った。

 具体的には、「所得の高いトップグループが年6、7%くらいで成長しているならどういう税制が必要か。逆にトップが1、2%しか伸びていなければ、経済成長率と同程度なのでそれほど累進的な課税でなくてもいい。だからこそ透明性が必要」と、格差の状況に合わせて政策を実行していくべきだと説明した。

 日本が、北欧のような福祉国家を目指して消費税率を25~30%にしていくことには「それで解決されるわけではない」と否定的で、日本の税制は「世代間のリバランスをすること」が大事だという。「若い世代は相続資産がない。労働所得がなく賃金も上がらない。財産形成をすること出来ない」からで、若い世代の低中所得者の税率を下げ、トップの所得の税率を上げるべきだと語った。

 ピケティ氏が提唱している「グローバル資本課税」については、「実現可能性はもちろんある」としながら、「国レベルでできることがある。財産、富への課税はどこでもやっている」と語った。「不動産には財産税がかけられるが、なぜ金融資産にはかけられないのか。税金は数百年以上前に導入されたが、その当時は資産は不動産だった。それが理由。それを変えてこなかった」と説明し、21世紀の実情に合った税制が必要だと提言した。



1月29日ピケティ講演 : 日本経済については「低成長が続くなかで、過去に蓄積した富が不平等につながる」と指摘(日経新聞) / 金融緩和に対する批判的な見解を表明(池尾和人) / 「日本は所得格差を縮めるために富裕層に重課税を」(JAPANTIMES) / 「不平等」って言葉を日本では格差って言うけど、不平等って言う場合は民主化の問題含む。その大切さがわかった気がします。 / 「21世紀の資本」著者ピケティ氏がアベノミクスに“ダメ出し”(日刊ゲンダイ)




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