2015年9月20日日曜日

クロード・モネ 『ウォータールー橋』1902 国立西洋美術館蔵 (東京国立近代美術館 特別展 「これからの美術館辞典」にて) : ウォータールー橋の連作について 東京都美術館のモネ展について(「印象、日の出」と「サン=ラザール駅」、どちらをとるか)など

クロード・モネ 『ウォータールー橋』1902 国立西洋美術館蔵
(東京国立近代美術館 特別展 「これからの美術館辞典」にて)

国立西洋美術館の作品解説
作品解説(改行を施す)
 モネは1871年以来、ロンドンを数度にわたって訪れている。その中でも、1899年、1900年、1901年の三回の滞在は豊かな収穫をもたらした。
 テームズ河畔のサヴォイ・ホテルのバルコニーに画架を据えて、モネは、国会議事堂、ウォータールー橋、チャーリング・クロス橋という三つのモティーフに焦点を合わせて描き続けた。
 この作品もそのような連作のうちの一点である。
 斜めに俯瞰構図で描かれたウォータールー橋は、僅かに赤味を帯びた色彩で描かれ、橋の上の通行人や馬車がロンドン特有の霧を背景に浮かびあがる。三次元的な空間再現を断念せしめるような対象を前に、他の作品同様、彼の関心は、朦朧とした霧の中で拡散し水面を微かに照らし出す光に向けられている。堅固な構築物としての橋はここではほとんど消え去り、反映する光がもたらす色彩だけが僅かに橋の姿を留めている。
 当館は他に、同じくロンドンのチャーリング・クロス橋を描いた作品も所蔵している。
(出典: 国立西洋美術館名作選. 東京, 国立西洋美術館, 2006. cat. no. 77)


素人のワタクシでさえ、モネの作品には例えば『睡蓮』のように数え切れないほどの連作があることは、ぼんやりと知っていた。
さてでは、ウォータールー橋にはどれだけの連作があるんだろうか?

「モネlog」さんというモネの作品を網羅的に扱っておられるHPがあり、そこから引用させて頂くと・・・

「ウォータールー橋の連作」 Ⅰ

今のウォータールー橋(Waterloo Bridge)は2代目で、モネが実際に描いた1代目は、9本のアーチを持つ花崗岩の橋として、1817年に開通しました。

ウォータールー(Waterloo)は、フランス語でワーテルローと読み、1815年、イギリス軍がナポレオン1世にワーテルローの戦いで勝利したことから名付けられました。

「ウォータールー橋の連作」は、モネが60歳前後にロンドンで手がけた連作の内の一つで、テームズ河畔のサヴォイ・ホテルのバルコニーに画架を据えて制作されました。

ロンドンでは他に「国会議事堂」と「チャリング・クロス橋」を題材に連作を描きましたが、「ウォータールー橋」は、41点と、最も多く作品が残っています。いずれの連作も霧(スモッグ)に霞む建築物が描かれている点で共通しています。

ちなみに、これらの連作は、印象派の代名詞である戸外での制作によって、現場で完全に仕上げまで行われたわけではありません。「ルーアン大聖堂の連作」同様、ロンドンのシリーズもアトリエに持ち帰り手直しを施しています。

数十作にも及ぶ、ほぼ同じ構図の絵それぞれに作品的意義を持たせるには、一度、全体像をつかむ過程が必要不可欠だった様です。


なんと41点!

さて、そのモネについて・・・
昨日から「モネ展『印象、日の出』から『睡蓮』まで」が始まっている。

で、よく見ると、このモネ展のポスターには二種類あることに気がつく。


つまり、「印象、日の出」と「サン=ラザール駅」は同時には展示されないということだ。
さてさて、どちらを選ぶか、両方観るか、悩ましいところだ。

なお、モネ展の待ち時間情報は下記から得られるとのこと。


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