2016年7月12日火曜日

中宮寺 国宝『半跏思惟像』 悠久の時を超えた微笑み (「美の巨人たち」2016-07-09メモ)

中宮寺 国宝『半跏思惟像』 悠久の時を超えた微笑み
(「美の巨人たち」2016-07-09)

奈良県斑鳩町にある中宮寺の本尊で、7世紀後半に作られた『半跏思惟像』(国宝)
第一級の国宝、仏像彫刻の最高傑作
漆黒に輝く国宝
高さは1m68cm



「半跏」とは片脚を上げた座り方、
「思惟」とは物思いにふけること。
半跏思惟像というのは片脚を上げて、首を傾げ指を頬のあたりに添えている形の像のこと。
飛鳥時代の半世紀だけに見られる独特な様式で作られた仏像で、技法も類例がないもの。

中宮寺の半跏思惟像が作られる前は、渡来人である止利仏師らが仏像を作っていた。
またその仏像は弥勒菩薩であった。
しかし、中宮寺では如意輪観音が伝わっている。
如意輪観音は初めて日本人によって作られた仏像で、聖徳太子を観音菩薩の化身として信仰する太子信仰と密接な関連があると考えられている。


止利様式:法隆寺釈迦三尊像(鞍作止利の作)

日本人らしさが加わり、人間味が出てくる



あれほど体のラインが綺麗で、
顔に品格があるというのはまずない、
と言われている。

寄木造で作られている(20のパーツに分けている)

肘の角度や指の位置など調整。
胴体の芯棒に頭のパーツを前後から挟んである(強度への配慮)。

例えば、ここは丁寧に彫っておきたいから、手を外したほうがより丁寧に彫りやすい場合がある。
だから、わきのラインが綺麗にできているなどの利点がいっぱいある。

悟りを拓いた釈迦が金色に輝いたという言い伝えから、極楽は極彩色とされており、仏像や寺院の内部は鮮やかな彩色がされている。
中宮寺の半跏思惟像もまた鮮やかな彩色があったと考えられる。


頭、胸、お腹には釘の跡があり、かなりの装飾的飾りをつけていたと推測される。

今のイメージにはない鮮やかな彩色だった。


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