2016年10月19日水曜日

美智子皇后 ; 「まあ、童話屋さん」・・・「『あたらしい憲法のはなし』を出していただいてありがとうございます」・・・「私どもは毎年五月三日の憲法の日に、昔の教科書を取り出して家族で読む習わしにしております」・・・「もうぼろぼろになってしまって、これが新しく出て、大変に嬉しい。ありがとうございます」

 明日(10月20日)は美智子皇后の誕生日とのこと。
 
 ここで、最近読んだ美智子皇后と「憲法」についてのあるエピソードについて。

 著者は、茨木のり子さんの詩集を多く出版している童話屋という出版社の田中和夫さん。
 『文藝別冊』「茨木のり子」の所収の「低い濁声で歌った「愛の賛歌」」という一文のラストの部分。

 以下、抜粋(段落を付加した)



 ぼくは『日本国憲法』と『あたらしい憲法のはなし』という憲法の本を二冊出しました。二〇〇一年のことです。そのときに皇后様とお目にかかるチャンスがあったんです。

 ・・・(略)そのとき「童話屋の田中和雄です」とごあいさつをしましたら皇后さまが目を真ん丸になさってね、「まあ、童話屋さん」とおっしゃったんですね。「『あたらしい憲法のはなし』を出していただいてありがとうございます」とお礼を言われて、ぼくは腰が抜けるほどびっくりしたんです。

 「私どもは毎年五月三日の憲法の日に、昔の教科書を取り出して家族で読む習わしにしております」とおっしゃった。「もうぼろぼろになってしまって、これが新しく出て、大変に嬉しい。ありがとうございます」とお礼を言われたのにはぼくはびっくりしました。このことはずっと十年間、ぼくは黙っていたんです。これは宣伝に使っちゃいけないと思って(笑)。

 そのことを石垣さんと茨木さんに話したら、目を真ん丸になさって「そんなことをなさっているのは日本中で美智子様のご家庭だけだ」とおっしゃって、皆で手を叩いて「素晴らしい! この二人がいる限り、日本国憲法を変えることは難しいだろう。時の政府がどんなに頑張っても、皇后様がこれだけのことをなさっているんだったら、変えることは難しいだろう」と話していたんです。

 二人には戦争というものに対する憎しみがものすごく強かった。二人とも戦争についての詩を書いています。一つは茨木さんの「わたしが一番きれいだったとき」。石垣さんは「雪崩のとき」です。

 戦争というものがどんなふうに地球をだめにするかということについて非常に明確な考えをもった二人だったと思います。いつでもその話があって、詩の話の最後が必ず地球の話になっていくということが多かったですね。ガガーリンが見た地球はどんなに綺麗だっただろうか、どんなに立派だっただろうかという話です。「この地球があるおかげで、不思議、不思議」「なぜ地球は存在しているんだろう」と二人は地球を肴にお酒を飲むみたいなところがありました。ガガーリンが撮ったのか、NASAが撮ったのかな。いい写真を二人ともお持ちになっていた。

 ・・・(略)



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