2017年3月18日土曜日

籠池証人喚問の行方は…本紙独占“安倍寄付”証言の全容<上><下> / “籠池爆弾”の破壊力…この恥知らず内閣は確実に飛ぶ<下> / 恐ろしい国だ 「首相を侮辱」で証人喚問の横暴と身勝手 (日刊ゲンダイ)

籠池証人喚問の行方は…本紙独占“安倍寄付”証言の全容<上>
2017年3月17日

■菅野氏が本紙に語った籠池「100万円」証言の核心部分とその真偽

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 安倍はこれまでに国会で「私や妻が(国有地売却や学校認可に)関係していたことになれば首相も国会議員もやめる」「籠池氏と個人的な関係は全くない」と言い切った。それなのに“ズブズブの関係”だった疑いが浮上していることが問題なのだ。しかも、100万円の寄付だけでなく、安倍と籠池夫妻の“個人的な関係”を裏付ける決定的な証拠がこれから次々に出てくるという。

「安倍首相は国会で虚偽答弁を繰り返した稲田防衛相を擁護しました。それ自体が国会軽視で問題なのですが、首相本人の虚偽答弁が明らかになれば、内閣総辞職をして責任を取らなくてはいけません」(立正大名誉教授・金子勝氏=憲法)

 第2、第3の籠池爆弾が炸裂するのは時間の問題。安倍官邸がトボけていられるのも今のうちだ。

■参考人招致も拒否から一転、証人喚問の裏に何があったのか

(略)

 これまで自民党は「民間人の招致は慎重にしなければいけない」とか言って、野党が求める籠池理事長の参考人招致を拒否し続けてきた。どんな爆弾発言が飛び出すか分からないからだ。それが一転、招致に応じたウラには何があるのか。しかも、参考人招致ではなく、いきなり偽証罪にも問われる証人喚問に格上げである。

「これだけの騒ぎになってしまった以上、いつまでも籠池氏の国会招致を拒否していると、自民党に疑いの目が向けられる。安倍政権が疑惑を隠蔽しているように見られて、世論の反発を招くだけです。この問題に区切りをつけるためにも、籠池氏を国会に呼ぶ必要が出てきた。ただし、籠池氏が何を言い出すか分からないのは事実です。いい加減なことを言えないよう、証人喚問にハードルを上げたのでしょう」(政治評論家・有馬晴海氏) 

(略)

 招致を決めた自民党の竹下国対委員長も「首相に対する侮辱ですから。しっかりたださなければならない」と語気を強めていたが、首相を侮辱したから証人喚問なんて、一体どこの独裁国家か。証人喚問は、真相を解明するために行うのであって、安倍を侮辱した人物をつるし上げる場ではない。


■知りすぎた男、籠池理事長が“消される”懸念

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「籠池氏を面白おかしく取り上げれば数字が稼げるから、すっかりテレビメディアのオモチャにされていますが、これも怖い。デタラメばかりのオッサン、おかしな家族というイメージが先行すれば、彼が何を話しても信用されないし、もし逮捕されても、見せ物ショーになってしまう。問題の核心が忘れられてしまいます」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)

 (略)

 安倍はきのう夜、公邸で参院国対メンバーと会食した際も、籠池理事長のことを「変な人だよね」と言い、冷たく突き放していたという。こんな非情な男をかばい立てする必要はない。自分の身を守るためにも、籠池理事長は知っていることを洗いざらい話すべきだ。こうなったら、“死なば森友”である。

■証人喚問するなら財務省も松井知事も呼ばなきゃダメだ

 籠池理事長の証人喚問だけでは事実は解明されない。そもそも、森友学園をめぐる疑惑の発端は国有地の格安払い下げだ。この怪しい仕組みには財務省、国交省、大阪府が絡んでいる。籠池理事長ひとりの聴取だけで全体像が浮かび上がるわけがないし、ヘタをしたら、右翼思想に凝り固まった大阪弁のおかしなオッチャンの暴走で片づけられてしまうだろう。

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 政治学者の五十嵐仁氏はこう言う。

「森友疑惑に登場するすべての関係者を国会に呼ばなければダメです。野党が求める招致はもちろん、籠池理事長から陳情を受けて私学小学校の設置基準緩和の号令をかけた大阪府の橋下前知事、それを実行した松井知事。『認可適当』をスピード審査した私学審議会メンバー、それを所管する私学課長。“安倍晋三小学校”の名誉校長を引き受け、寄付金を手渡したとされる安倍首相夫人の昭恵氏。安倍首相は口を極めて関与を否定していますが、安倍夫妻の存在感が官僚の忖度を促した可能性は完全に否定できていません。それに学園の代理人を務め、教育方針を絶賛していた稲田防衛相もそうです。参考人招致も証人喚問も国政調査権の発動であって、有罪か無罪かを争う法廷ではない。関与を否定するのであれば、国会で身の潔白を証明すればいいのです」

 (略)

■この証人喚問では終わらない安倍「日本会議」内閣の絶体絶命

 安倍官邸は籠池理事長の証人喚問で今度こそ疑惑に幕引きしようと焦っているが、むしろ政権幕引きの引き金になる。「共産党と朝日新聞が組んで事態が勃発した」とまで罵った籠池ファミリーが、共産を含む野党4党に背中を押されるように、自ら国会招致に名乗りを上げた。真相解明のため、野党は徹底追及する。籠池理事長がハラを決め、安倍夫妻との関係やコトの経緯を洗いざらいブチまければオダブツ必至である。

 安倍首相と籠池理事長を結びつけたのは、ともに信奉するカルト的右翼組織「日本会議」の存在だ。集団的自衛権の行使容認、憲法改正、愛国心教育、自虐史観の排除、戦後レジームからの脱却――。安倍が力を入れるこうした政策は日本会議が提言してきたものだ。だから、安倍は当初、「妻から森友学園の先生の教育に対する熱意は素晴らしいという話を聞いている」と国会答弁し、学園での講演会も検討していた。そして、安倍内閣の大半が日本会議議連のメンバーだ。

  学園の幼稚園で行われている教育勅語の暗唱を絶賛した稲田防衛相。講演に行き、「思想的にもワシに合うなと思った」と言った鴻池元防災担当相は、麻生財務相の派閥に属す。その麻生はまさに森友問題の“メーン舞台”である財務省のトップだ。

 他にも、右翼団体に連なる閣僚たちへ、まだまだ森友問題は波及していくだろう。

これほど国政を私物化している政権はないでしょう。森友疑惑で名前が上がる政治家はおしなべて日本会議とのつながりを指摘されている。とりわけ問題なのが、稲田防衛相です。南スーダンPKOの日報廃棄問題で何枚もイエローカードを食らい、森友疑惑でもメチャクチャな答弁を繰り返しています。安全保障を担う防衛大臣が自身の問題で身動きが取れないのでは、お話になりません。もはやレッドカードです」(五十嵐仁氏=前出)

 第1次安倍政権は辞任ドミノで幕を下ろした。一寸先は闇。政権の命運はアッという間に尽きる。








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